「幼稚園のお弁当って、毎日作るの大変そう……」
子どもの幼稚園入園を控えていたころ、私が心配していたことのひとつがお弁当作りでした。
それまで子どものお弁当を作る機会はほとんどなく、毎朝早起きして作れるのか、栄養バランスはどうしたらいいのか、暑い時期の衛生面は大丈夫なのか——不安に思うことがたくさんありました。
実際にお弁当生活が始まると、最初の頃は慣れないお弁当作りに悪戦苦闘。
加えて、「せっかく作るなら、栄養も見た目もちゃんとしたものを」と意気込んでいたんです。
ところが、子どものある一言がきっかけで、お弁当への考え方を改めることになりました。
この記事では、最初はお弁当作りを負担に感じていた私が、子どもに合わせて量や中身を変えながら気づいたことや、作り続けてわかった「頑張りすぎなくてよかったこと」をお伝えします。
最初はやっぱり大変だった
お弁当生活が始まったばかりの頃は、毎朝6時に起きて、30分かけてお弁当を作っていました。
大したものを作っているわけではないのに、慣れないうちは何をするにも時間がかかります。
おにぎりを作って、おかずを用意して、冷ましてからお弁当箱に詰める。
朝の忙しい時間にやることが増えただけでも、私にとっては結構な負担でした。
さらに当時は、「せっかく作るなら、ちゃんとしたお弁当にしたい」という気持ちも強かったんです。
冷凍食品ばかりではよくないかな。
毎日ウインナーを入れるのもどうなんだろう。
同じおかずが続いたら飽きるかもしれない。
そんなことを考えて、なるべく手作りのおかずを用意し、前日と同じものが続かないようにもしていました。
栄養だけでなく、見た目もそれなりに気にしていました。
大きめのおにぎりをひとつ入れ、その周りには隙間ができないようにおかずを詰める。野菜も入れて、できるだけ彩りよく。
今振り返ると、子どもが食べやすいお弁当というより、私が見て「おいしそう」と思うお弁当を一生懸命作っていたように思います。
そんなお弁当作りを始めて1週間ほど経った頃、子どもがお弁当を残して帰ってきたのです。
子どもがお弁当を残して気づいたこと
空になっていないお弁当箱を見て「食べきれなかった?」と子どもに聞くと、

多すぎて残しちゃったの…
と返ってきました。
そのときの子どもは、どこか申し訳なさそうで、少し落ち込んでいるような様子でした。
もしかしたら、それまで「多い」と言えないまま、毎日頑張って食べていたのかもしれません。
残してもいいと思えず、無理をさせてしまっていたのだとしたら——
そう考えると、申し訳ない気持ちになりました。
慣れない幼稚園で、お弁当をなんとか食べきろうと頑張っている我が子の姿を想像すると、胸がキュッと締め付けられました。
栄養のことも考えて、見た目もよくして、なるべく手作りで。
子どものためを思ってやっていたつもりでしたが、いつの間にか、私の理想を押しつけてしまっていたのかも。
そういえば、幼稚園からもらったお手紙にも、お弁当について「楽しく食べられるように量や中身を工夫してください」と書かれていました。
入園したばかりの頃は、その意味をよく理解していなかった私。
でも、子どもがお弁当を残したことで、なぜ幼稚園がこんなことを伝えていたのか、ようやく腑に落ちました。
そして、我が子にとってのお弁当の意味についても考えるようになりました。
幼稚園という小さな「社会」で、親と離れて毎日頑張っている子どもにとって、お弁当は園にいながら「おうち」を感じられるものなのかもしれません。
だからこそ、お弁当くらいは食べ慣れたもの、好きなものを入れてあげたい。
大切なのは、子どもが安心できて無理なく食べきれるお弁当であること。
この出来事をきっかけに、お弁当の量や中身を子ども目線で考え直すことにしました。
子ども目線でお弁当を見直した
子どもの言葉をきっかけに、本人とも相談しながら、お弁当の量や中身を見直すことにしました。
具体的に変えたのは、次のようなことです。
- 大きなおにぎり1個から、小さなおにぎり3個にする
- おにぎりはそれぞれ味を変える
- 野菜は子どもが食べ慣れているものを入れる
- おかずは子どもの好きなものを中心にする
- 手作りにこだわらず、冷凍食品や加工食品も使う
- 同じおかずが続いても気にしない
まず変えたのは、お弁当の量です。
子どもにどんなお弁当なら食べやすいか聞いてみると、「小さいおにぎりを3個にしてほしい」とのこと。
大きなおにぎりは食べるのが大変で、同じ味が続くのも嫌だったようです。
そこで、それまでの大きなおにぎり1個をやめ、ミートボールくらいの小さなおにぎりを3個に。
「それぞれ味も変えてほしい」と言われたので、3種類のふりかけを使って作っていました。(これが一番大変でした…!)
現在は食べられる量が増えてきたこともあり、ゴルフボールくらいの大きさの三角おにぎりを2個入れています。

おかずも、子どもが好きなものを中心に。
野菜は「いろいろ食べてほしい」と欲張らず、ブロッコリーやにんじん、オクラなど、普段から食べ慣れているものを入れています。
そして、手作りへのこだわりもやめました。
子どもが好きなものなら、冷凍食品や加工食品にも頼ります。
前日と同じおかずが入ることもあります。
以前は「なるべく手作りで」「同じものが続かないように」と考えていましたが、それよりも、子どもが好きなものを安心して食べられることを優先するようになりました。
好きなものを、食べきれる量だけ。
今では、これがわが家のお弁当の基本になっています。
完食できるようになって、子どもにも変化が
好きなものを食べきれる量だけ入れるようにしてから、子どもは毎日お弁当を完食して帰ってくるようになりました。

今日も全部食べたよ!
空っぽになったお弁当箱を見せてくれる子どもの表情も、どこか誇らしげ。
以前のような申し訳なさそうな様子はなくなり、食べきれたことが少しずつ自信にもつながっていったのかもしれません。
しばらくすると、「今度は○○入れて!」と、自分からお弁当のおかずをリクエストしてくれるようにもなりました。
そして、幼稚園生活に慣れてきたことや成長もあってか、少しずつ食べられる量も増えていきました。
ある日には、

お弁当足りなかった!
なんて言葉も聞けるように。
少し前まで「多すぎて残しちゃった」と言っていた子どもから、今度は「足りない」と言われたことが、私にはなんだか嬉しかったです。
それからは子どもの様子を見ながら、少しずつ量を増やしています。
お弁当作りを続けて感じた変化と気づき
お弁当作りを始めてから1年半。
最初の頃と比べると、お弁当作りに対する負担感はずいぶん減りました。
私自身の変化
- 何度も作るうちに手順に慣れ、時間がかからなくなった
- 朝早く起きることにも慣れた
- 手作りや品数にこだわらなくなった
最初の頃は、お弁当を作るために朝6時に起きることさえ大変でしたが、何度も作っているうちに、少しずつ手順が決まってきました。
朝起きたらまず何をするのか、どのおかずから準備するのか。
いちいち考えなくても動けるようになり、自然とお弁当作りにかかる時間も短くなっていきました。
今では15分程度で作り終えます。
また、以前のように「なるべく手作りで」「毎日違うものを」と考えなくなったことも、負担が減った理由のひとつです。
冷凍食品や加工食品にも頼りながら、無理なく続けられることを優先するようになりました。
気づいたこと
- 幼稚園児が食べきれる量は、思っていたより少なかった
- 小さなお弁当箱には、そもそも何品も入らない
何度もお弁当を作ってわかったのが、幼稚園児が食べきれる量は、私が思っていたよりも少ないということです。
最初の頃は、栄養や彩りを考えて「あれも入れよう、これも入れよう」としていました。
でも、子どもが無理なく食べきれる量って本当に少ないんです。
そもそも、小さなお弁当箱にはそれほどたくさん入りません。
入園前は「毎朝何品も用意しなきゃ」と思っていましたが、それは大人のお弁当のイメージを引きずっていたからです。
実際に作ってみると、幼稚園児のお弁当は思っていたよりシンプルでした。
最初は確かに大変だったお弁当作りですが、1年半続けた今では、入園前に想像していたほど大変なものではないと感じています。
幼稚園のお弁当で気になる栄養と衛生
入園前、私がお弁当作りで心配していたのが、栄養面と衛生面でした。
好きなものを食べきれる量だけとはいっても、毎日のお弁当となると栄養バランスは気になります。
また、お弁当は作ってから食べるまでに時間が空くので、特に暑い時期は、傷んでしまわないかという心配もありました。
ここでは、公的機関の情報も参考にしながら、栄養面と衛生面について考えてみます。
栄養はお弁当だけで完璧を目指さない
農林水産省の「食生活指針」では、主食・主菜・副菜を基本に食事のバランスをとること、多様な食品を組み合わせることなどが勧められています。
また、すべてを手作りするのではなく、加工食品や調理食品を上手に組み合わせることも示されています。
わが家でも、おにぎりなどの主食、お肉や魚などの主菜、野菜などの副菜を入れられるときは、なるべく組み合わせるようにしています。
とはいえ、毎回きれいにそろうわけではありません。
冷蔵庫に子どもが食べられる野菜がない日もあります。
そんな日は無理にお弁当に野菜を入れようとはせず、朝食や夕食で補えばいい、くらいの気持ちでお弁当を作っています。
もちろん、お弁当の栄養を考えなくていいということではありません。
でも、お弁当1食で完璧にしようとすると、作る側も大変です。
「お弁当に入れられなかったものはほかの食事で補おう」くらいに考えるようになってから、私はずいぶん気持ちが楽になりました。
衛生面で気をつけていること
もうひとつ、特に暑い時期に気になるのが衛生面です。
農林水産省では、お弁当の食中毒予防の大原則として「つけない」「ふやさない」「やっつける」の3つを挙げています。
具体的には、次のような点に注意が必要です。
- 調理前にはしっかり手を洗う
- お弁当箱や調理器具は清潔なものを使う
- おかずは中心までしっかり加熱する
- 卵料理は半熟にせず、しっかり火を通す
- おかずの汁気はよく切る
- ごはんやおかずは十分に冷ましてから詰める
- 前日の残り物などを使う場合は、十分に再加熱してから冷まして詰める
- 長時間持ち歩く場合は、保冷剤や保冷バッグを使う
私もこうした基本的なポイントを押さえながらお弁当を作るようにしています。
幼稚園のお弁当は頑張りすぎなくても大丈夫
入園前は、毎日のお弁当作りをとても大変なものに感じていました。
実際、最初の頃は早起きもつらく、慣れないお弁当作りに時間もかかりました。
さらに、「栄養」「手作り」「見た目」と、自分でお弁当作りのハードルを上げていたように思います。
でも、子どもがお弁当を残したことをきっかけに気づいたのは、大切なのは私が理想とするお弁当を作ることではなく、子どもが安心して食べられることでした。
好きなものを、食べきれる量だけ。
そう考えるようになってから、子どもはお弁当を完食するようになり、私自身のお弁当作りもずいぶん楽になりました。
もし入園前の私に声をかけるなら、「そんなに頑張らなくても大丈夫だよ」と伝えたいです。

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